【シリーズ第1話/8】脂肪は「脂の塊」ではない 代謝を左右する“内分泌臓器”である
以前、脂肪細胞には3つの色があるとお話ししました。(未読の方はこちら → 前回記事)
今日はもう一歩踏み込みます。
脂肪細胞が
・血管
・脳
・代謝
にどのような影響を与えているのか。
少し専門的な話になりますが、大丈夫です。むしろ多くの方が
「脂肪ってそんなにすごいの?」
と驚くと思います。
管理栄養士の私自身も、この分野を深く学んだとき、正直かなり興奮しました。
1. 脂肪は「内分泌臓器」である
脂肪は単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。現在では脂肪組織は重要な内分泌臓器の一つと考えられています。
脂肪細胞はアディポカインと呼ばれる生理活性物質を分泌しています。
以前はアディポサイトカインと呼ばれることもありました。しかし研究が進むにつれ、サイトカイン様作用だけでなくホルモン様作用など多様な働きを持つことがわかり、現在は アディポカイン という呼び方が一般的になっています。
代表的なアディポカイン
● アディポネクチン(善玉)
- 血管保護作用
- インスリン感受性を高める
- 抗炎症作用
脂肪細胞が適切なサイズを保っているときにしっかり分泌されます。しかし脂肪細胞が肥大すると、この善玉ホルモンは減少します。
● TNF-α / IL-6(炎症性サイトカイン)
これらは本来、免疫反応に必要な物質です。しかし脂肪細胞から慢性的に分泌されると低度慢性炎症を引き起こします。
慢性炎症 → 血管機能低下 → インスリン抵抗性
ここが代謝悪化の核心ポイントです。
脂肪の問題は量だけではなく質と状態なのです。
2. 本当に怖いのは「異所性脂肪」
脂肪細胞には脂肪を蓄える容量があります。しかしその容量を超えると、脂肪は本来蓄積すべきでない場所へ入り込みます。これが異所性脂肪です。
代表例
・筋肉内脂肪
・肝臓脂肪(脂肪肝)
・膵臓脂肪
特に問題になるのが筋肉内脂肪です。筋肉の中に脂肪が蓄積するとインスリンの働きが妨げられ、血糖コントロールが悪化します。
3. 見た目ではわからない「TOFI」
ここで登場するのがTOFIという概念です。TOFIとはThin Outside, Fat Insideの略。つまり見た目は痩せているのに、内側では脂肪が蓄積している状態です。
この場合、・BMI ・体重 だけでは代謝リスクは判断できません。健康診断で ・血糖 ・中性脂肪 が高い方の中には、このタイプが少なくありません。
まとめ
脂肪は単なる脂の塊ではありません。
脂肪細胞は
・ホルモンを分泌し
・炎症を調整し
・血管機能に影響し
・インスリン感受性を左右する
代謝の中心臓器の一つです。
つまり脂肪の状態が代謝の状態を決めると言っても過言ではありません。
次回は
減塩が効く人、効かない人 ― 血圧を動かす「塩分感受性」の正体
について解説します。
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